PCPSで知っておきたい2つの循環の概念と不適応事例

こんにちは!えんぴつです。

今日はPCPSなどの補助循環における2つの循環の考え方についてと、PCPSが不適応になる場合についてを学んでいきます。

前回のPCPSに関する記事の補足になるところもありますので

よろしければそちらも見ていただけると嬉しいです。

前回の記事⇒PCPSを理解する!はじめてでもわかるPCPSの概要


肺循環・体循環について

ここで全身の血液の循環についておさえておきましょう。

まず、大きくわけて「体循環」と「肺循環」にわかれます。

体循環、肺循環とはなにか?

■体循環⇒心臓からでた血液が全身を巡り、心臓にもどってくるというながれ。

■肺循環⇒全身からもどってきた血液が心臓から肺へ送られ、また肺から心臓へもどってくるというながれ。

というように全身の血液はめぐっており、それぞれ「体循環」「肺循環」とよんでいます。

この体循環と肺循環がうまく連携していることで、肺で酸素を取り込んだ血液を全身に届けることができるという仕組みになっています。

ここで思い返していただきたい事例として、PCPSの適応となるものの中で「肺塞栓」というものがあったことをおぼえていますでしょうか?

PCPSの適応となる疾患に関しては前回の記事に記載していますので、忘れてしまっていた場合は少し参考にしていただけるとよいかとおもいます。

さて、肺塞栓についてです。

肺塞栓をおこした場合、心臓から肺へ送るの血管が詰まってしまうことで肺に血液が流れなくなります。

肺に血液が流れない⇒心臓にも血液が戻ってこない⇒血液を全身に送れなくなる

というように関連づいていきます。

つまりは、心臓も肺もわるくなってしまった状態となってしまうため、PCPSが必要となるのです。

体循環、肺循環のどこかのルートで何か問題があると、すべての循環に影響がうまれてしまうことを理解しておきたいですね!


PCPSができない場合とは?

PCPSが必要なときは

①心臓がわるくなったとき ②呼吸がわるくなったとき ③心臓と肺の両方がわるくなったとき 

と説明してきましたが

「PCPSの適応にならないときってあるの??」

と少し疑問に思ったかたもいるかもしれません。

たしかに、全員にPCPSが使用されるということはありません。

そのような場合にPCPSが適応外となるのか、ざっくり書いていきます。

これまでにお伝えしてきたように、PCPSは悪くなった心臓や肺を補っているものになります。

そのため、例えばのはなしですが

対象とされている患者がとても高齢であったり、脳死状態であったり、悪性腫瘍などがあったりすることで回復が難しいとされる病態の場合はPCPSの適応とならないことが多いです。

これは本当にその人の病態によって細かく判断がわかれるところです。

それぞれがひとつの判断指標として考えられるというようにとらえていただけるといいかと思います。

あとは患者や家族の意思によりPCPSを使用しないという決定にいたることもあります。

患者や家族は普段PCPS、補助循環、体外的な循環の補助、などの言葉もきいたことがない、というパターンが多いです。

そして、そのように器械に頼らなければ生きることが危ぶまれるような状況であることをなかなか受け入れられない場合もあります。

患者の状況についての説明は医師からされますので、ICの場面に立ち会えない場合はなかなか状況の把握が難しいです。

サポートする看護師としては、私個人の見解ですが…

医師から、患者本人と家族にどのような説明がされていて、どの程度理解されているのかまで把握していく努力は必要なところではないかなと思っています。

そうした状況をふまえての患者本人、ご家族の意思決定へのフォローをしていきたいですね。

以上のことから、

・その人の病態が適応のものと判断され

・PCPSをいれることで回復が見込める状態であり

・患者や家族も納得できている場合にかぎり

PCPSは適応となるということがいえるかとおもいます。


今回のPCPSの勉強はここまで!おつかれさまでした!

次回も勉強の参考にしていただけると嬉しいです。

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