こんにちは!えんぴつです。
今日もPCPSについて学んでいきます。
今までのPCPS学習の記事にも目を通していただけると、よりわかりやすくなっていますのでよかったら参考にしてください。リンクは以下にはっておきます。
今回は人工肺の設定に関して勉強していきましょう。
それでは、肺の補助の役割をしている人工肺の設定に関して学んでいきます。
酸素の調節について
人工肺は肺の補助の役割をになっていますので、酸素と二酸化炭素の調節をしています。
まず酸素の調節に関して考えていきます。
人工肺の構造でも学んだように、人工肺では無数のストロー状になっている特殊な膜があります。そのストローの中を酸素の含まれたガスが通っており、膜を介して血液と酸素が触れ合っている状態になっています。
膜を介して血液中の酸素とガスの中の酸素が等しい濃さになろうとします。
ここで、酸素の濃いほうから薄いほうへと拡散して同じ濃度になろうとする、という話を思い出してください。
つまりは、血液に触れあうガスの酸素分圧が高ければ高いほど、血液の酸素分圧も高くなっていくということがイメージできます。
ガスの酸素分圧を上げるということは、つまり投与する酸素濃度を上げていく、ということです。
酸素濃度が上がる=血液に拡散される酸素が多くなる
となるわけですね!
患者の酸素化がうまくできているかどうかの評価は、血液ガスなどの検査により体の中の酸素を表すPaO2を経時的にみていく必要があります。
(血液ガスに関しても、今後学習をしていきましょう!)
PaO2の正常値は80~100mmHg以上とされています。
おおよそPaO2の正常値まで酸素化を上げていくのですが、PCPSを使用するという場合、少し覚えておかなければならないことがあります。
それは
人工肺から酸素を供給されてすぐの血液のPaO2は普段より高い数値を維持できなければいけない
ということです。
それはなぜか?ということなのですが
通常、PCPSを使っていない人の体では、すべての血液が肺を通過して酸素化されており、酸素化された血液が全身に送られていますが
PCPSを使用している患者の体では、必ずしもすべての血液を酸素化できているとはかぎらないからです。
肺と心臓の役割の補助ですので、心臓から肺へ血液を送り込む前の段階で血液を抜き取っていますし、心臓から肺へ・肺から心臓へ送り込まれる血液に関しては十分に酸素化が難しいのです。
つまり、酸素化が十分にできない血液が存在するということです。
酸素化が十分にできていない血液が混ざりこむ状態であると考えると、体全体で必要な酸素が本当に供給できているのか?ということを意識してみていかなくてはいけません。
そのため、体の中の酸素を評価していく上では患者の体から採取した動脈血で評価していくことが必要になります。
人工肺をぬけてすぐの採血ポートでの動脈血では、人工肺がしっかり機能しているかの評価で使用していきますので
体全体の酸素化の評価⇒患者の体の動脈血でのPaO2評価
人工肺の機能の評価⇒人工肺をぬけてすぐの採血ポートでのPaO2評価
となります。
体全体の酸素化の評価と人工肺の評価とあることを覚えておくとよいかと思います。
二酸化炭素の調節について
次に二酸化炭素の調節について考えていきます。
二酸化炭素も酸素と同じように、膜を介して、血液中の二酸化炭素、ガスの中の二酸化炭素が等しくなろうとするため、二酸化炭素の濃いほうから薄いほうへと拡散して同じ濃度になろうとします。
空気中や、人工肺へ流しているガスにはほとんど二酸化炭素が含まれていませんので、二酸化炭素の濃い血液からガスのほうへと拡散していきます。
体の中では二酸化炭素がどんどん作られている状態なので、何もしなければ、血液側の二酸化炭素は増えていきますし、ガスも同じように濃度が高くなってきてしまいます。
そこにガスをさらに人工肺に流します。ガスが流れ込むことでガス側の二酸化炭素は下がり、それに合わせて血液側の二酸化炭素もさがってきます。
PCPSでは、このガスの流量を酸素流量で調節することができます。
つまり、これまでのことをまとめると
酸素を流す量(酸素流量)が下がる⇒血液中の二酸化炭素分圧が上がる
酸素を流す量(酸素流量)が上がる⇒血液中の二酸化炭素分圧が下がる
ということがわかってくると思います。
これまでのことをまとめるとPCPSでは遠心ポンプでの設定、人工肺での設定があり
①ポンプの回転数
②酸素濃度
③酸素流量
での3つについて設定が必要となるということが学べていると思います。
いろいろと複雑でしたが、なんとなくPCPSがわかってきた気がしますね。
今回はここまで!おつかれさまでした!
最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。次回につづきます。